Monday, July 16, 2012

食中毒:エルシニア菌

エルシニア菌(エンテロコリチカ,XLD寒天培地)
エルシニア菌(エンテロコリチカ,鞭毛染色)

エルシニア菌:グラム陰性の桿菌で腸内細菌科に属しており、冷蔵庫内温度
ーーーーーーーである4 ℃でも発育できる。11種類に分類される。
ーー感染経路:Yersinia enterocolitica 、Yersinia pseudotuberculosisでは
ーーーーーーー汚染された飲み水(井戸水),ミルク,ブタ肉,食物を介して経口的に
ーーーーーーー感染する。保菌動物はブタ,犬,猫,ネズミ( pseudotuberculosis)
ーーー ーーー白鳥(enterocolitica)。ブタの小腸を扱った母親から赤ちゃんに
ーーーーーーー感染した例もある。季節は夏より冬に発生しやすい。
ーー潜伏期間:4〜6日(1〜14日)

i)   Yersinia enterocolitica(エルシニア・エンテロコリチカ):下痢や腹痛をともなう
  急性腸炎が多いが,急性虫垂炎様,敗血症,髄膜炎,ポリオ様,腎炎,
  結節性紅斑や関節炎まで多彩である。
ii)  Yersinia pseudotuberculosis (エルシニア・シュードツベルクローシス):
ーー乳幼児に多くみられ、発熱は殆ど必発であり、比較的軽度の下痢と腹痛、嘔吐
ーーがこれに次ぐ。発疹、紅斑、咽頭炎もしばしば観察される。川崎病と同じ症状
ーーを示す例など。
iii) Yersinia pestis(エルシニア・ペスチス):ペスト菌含有ノミ(野ネズミ)の
ーーー咬傷による。ーーー 次のブログで後述します。


日本での集団発生:1972年に下痢症患者から初めてYersinia enterocolitica 菌が分離
ーーーーーー されてから現在までに、14例の集団食中毒の発生が確認されている。
ーーーーーーー患者数が最も多かったのは1980年に発生した沖縄県の事例で、
ーーーーーーー1,051名の報告がなされた。最近では1997 年に、徳島県の病院や
ーーーーーーー学校の寮で患者66 名発生。ペストは大正以来日本で発生はない。


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