Sunday, September 19, 2010

ペニシリン(その4):ペニシリン活性の測定

ペニシリン活性の測定法:
最初の進歩はHeatleyがペニシリン活性の測定に、cylinder-plate法を発明したこ
とだ。これは今までの"well-plate"法より格段の進歩であった.培養プレートの
上にブドウ球菌を植えた後、短いグラスチューブを6〜8本さしこみ,そして
テストする溶液をチューブに入れ孵卵器で培養する。もしペニシリンを含ん
でいればシリンダーの周囲は菌の増殖は阻止される。その阻止された直径が
ペニシリン活性である。
------- Heatley NG, A method for the assay of penicillin. Biochem J.1944; 38(1): 61–65.

現在使用されている抗生物質感受性テスト:
抗生物質を含む円形のデスクをおいて細菌を培養すると
右のデスクの周囲は菌の発育が阻止されている。

1940年3月チェンとヒートレイはペニシリンの安定性、溶解性についてのpH
効果について議論した。ヒートレイは水が酸性ならペニシリンが水からエーテ
ルに移行するのではないか?と提案した。事実、酸性化したカビのろ過液と
エーテルを混合振蕩し、置くと2層に分離する。次にエーテル層をややアルカ
リにした水と振蕩すると、水の層にペニシリンが移行する。”back-extraction”と
呼ばれる方法である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Gwyn Macfarlane, Howard Florey- the making of a great scientist,
1980, Oxford University press. から翻訳。


質問,問い合わせ先:
〒755ー0097
山口県 宇部市 常盤台1丁目20−2
上宇部こどもクリニック 萩原啓二 
電話: 0836-29-1155
Fax: 0836-29-1156
E-mail: keijihagiwara@gmail.com